福岡高齢者・障害者虐待対応チームの研修会に参加しました。

8月18日に開催された「福岡高齢者・障害者虐待対応チーム」の研修会に参加しました。

6月2日に開催された研修会の第2弾です。

虐待対応チームというのは、福岡県弁護士会と福岡県社会福祉士会が共同して設置している虐待対応の専門チームです。

「高齢者に対する虐待が深刻な状況にあり、高齢者の尊厳の保持にとって高齢者に対する虐待を防止することが極めて重要であることから、福祉に携わる弁護士と社会福祉士とが連携して、要請のあった市町村に対して専門的な知識やノウハウ等その他のサービスを提供して市町村の高齢者虐待防止に関する業務に協力し、もって高齢者の人権を擁護すること、これが福岡高齢者虐待対応チームの主な目的です。」
(引用元:http://www.fben.jp/kgyakutai/)

高齢者・障害者虐待への対応は市町村が責任を負っていますが、市町村の担当者のみでは対処困難な虐待事例というのはたくさんあります。そこで、弁護士と社会福祉士がペアを組んで虐待対応に当たる市町村のアドバイスなどのサポート活動を行っています。

今回の研修では、障害者福祉施設従事者等による虐待のケースへの対応を検討しました。

福祉施設で虐待事案が発生した場合、虐待を受けている人が多数に上ることがあります。そのため、虐待対応に当たる側にもそれなりのマンパワーが要求されます。

しかし、虐待対応にあたる人員は慢性的に足りておりません。筑豊地域のような小規模自治体では特に顕著です。ここが常に悩みの種です。

さらに、福祉施設での虐待の事実を確認するためには、虐待を受けたという利用者や虐待を目撃した利用者からの聞き取りが不可欠です。

しかし、福祉施設の利用者は知的障害者や精神障害者など自分の体験や目撃したことをうまく説明できる人ばかりではありません。気をつけないと聴取者の意向に迎合してしまったりということはよくあることです。

また「自分の体験した話」と「誰かから聞いた話」(いわゆる「又聞き」)も区別して説明してもらわなければ証言の信用性を判断できません。

しかし、こういった区別をしながらお話しするのはかなり高度な能力を必要とする事柄ですから、慎重かつ丁寧に聞き取りをしていかないといけません。

自分はこれまで養護者による虐待案件のケース会議には何度か参加してきましたが、障害者福祉施設従事者等による虐待事案への対応経験はありませんでした。

養護者による虐待のケースとは全く違うアプローチを検討しなければならない点で新鮮な体験でしたが、他方でその大変さも実感できました。

今後とも精進していきたいと思います。