飯塚市の弁護士Q&A遺言・遺産分割など相続問題

遺産分割協議では、法定相続分のとおりに遺産を分けなければならないのでしょうか?

遺産分割協議ですべての共同相続人が合意するのであれば、法定相続分とは異なる割合による遺産分割も可能です。

民法907条1項は「共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。」と定めており、遺産の分割方法について特に制限を設けていません。

したがって、法定相続分と異なる割合での遺産分割も法律上全く問題ありません。

飯塚市周辺エリアで遺産分割など相続に関するお問合せはあいタウン3階の藤岡法律事務所までお気軽にご相談ください。

相続人の中に認知症などで判断能力が十分でない者がいるのですが、どうすればよいですか?

遺産分割協議は、判断能力(専門用語で「意思能力」)を有している者でなければ行うことができません。共同相続人の中に認知症などで意思能力を欠いている者がいる場合には、このままでは有効に遺産分割協議を行うことはできません。

こうした場合には、「成年後見制度」を利用することとなります。認知症などで判断能力が十分でない者について、家庭裁判所で成年後見人等を選任してもらい、その成年後見人等が本人に代わって遺産分割協議に参加することで有効に遺産相続を行うことができるようになります。

相続人の中に連絡がつかない者がいるのですが、どうすればよいですか?

遺産分割協議は、共同相続人全員でしなければ法律上有効とはなりません。共同相続人の中に連絡がつかない方(行方不明者)がいる場合であってもこのルールは変わりませんので、このままでは遺産分割協議ができないことになります。

こうした場合に備えて、法律上「不在者財産管理人制度」が用意されています。これは、行方不明者に代わって遺産分割協議を行う者(=不在者財産管理人)を裁判所に選任してもらう制度です。

不在者財産管理人が連絡がつかない方(行方不明となっている共同相続人)に代わって遺産分割協議に参加することによって、有効に遺産相続を行うことができるようになります。

相続放棄をした場合、未支給年金を受け取ることはできますか?

未支給年金は、被相続人の遺産には含まれません。したがって、相続放棄をしていたとしても、一定の条件を満たす場合には未支給年金を受け取ることができます。

「未支給年金」とは、年金を受け取っていた人が亡くなった場合に、その方に支給すべき年金でまだその方に支給しなかった年金のことを言います。この未支給年金は、「死亡した年金受給者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、または兄弟姉妹」であって、「死亡の当時に生計が同一だった方」が受給することができると規定されています。この未支給年金は、被相続人の遺産ではなく遺族固有の財産と考えられておりますので、上記の条件を満たす場合には、相続放棄をした場合であってもこれを受け取ることができます。

相続放棄をした場合、生命保険を受け取ることもできないのでしょうか?

死亡保険金は、被相続人の遺産ではなく保険金受取人の固有の財産と考えられておりますので、相続放棄をした場合であっても死亡保険金を受け取ることができます。ただし、保険金の受取人が被保険者(被相続人)となっている場合には、その保険金は被保険者(被相続人)の固有の財産=遺産となり相続の対象となりますので相続放棄をした相続人は受け取ることができません。死亡保険金を受け取るときは受取人が誰になっているか注意が必要です。

相続放棄の熟慮期間を過ぎた後、被相続人に借金があることが判明しました。もう相続放棄をすることはできないのでしょうか?

相続放棄は原則として3か月の熟慮期間内にしなければなりません。しかし、例外的に、その借金があることを知った時点から3か月以内であれば相続放棄が認められる場合があります。被相続人の遺産の内容について全く知らず、かつ、知らないことについて相当の理由がある場合には、相続放棄を検討するきっかけ自体がないことになりますので、こういった場合には例外的に相続放棄が認められます。

相続放棄に期間制限はありますか?

相続放棄は、自己のために相続が発生したことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所に申請しなければいけません(民法921条2項)。この3か月の期間を、熟慮期間と言います。

「自己のために相続が発生したことを知ってから」3か月以内ですから、被相続人が死亡し、自分がその相続人になっているということを知ったときから3か月の熟慮期間がスタートします。

被相続人と同居している場合などには、被相続人の死亡と同時に上記3か月の熟慮期間がスタートすることが多いと思いますが、遠方に住んでいて交流もほとんどなかったと言う場合などには、被相続人の死亡と熟慮期間の開始とが一致しないこともよくあります。

相続放棄とは何ですか?

相続放棄とは、法定相続人が被相続人のすべての遺産を引き継ぐことを「放棄する」ことを言います。被相続人の遺産に借金が多い場合などに相続放棄をすることがあります。相続放棄をすることによって、その相続人ははじめから相続人ではなかったとみなされます。

被相続人の借金も相続人で話し合って誰が負担するかを決めるのですか?

被相続人の遺産に含まれる借金は、相続開始と同時に、相続人にそれぞれの相続分に応じて相続されます。遺産分割協議で特定の相続人がすべての借金を負担すると決めたとしても、債権者からの請求を拒絶することはできません。ただし、債権者に対して借金を支払った相続人は、遺産分割協議で借金を負担することとなった他の相続人に対して、その支払いを求めることができます。

私は非嫡出子なのですが、私の相続分は嫡出子よりも少なくなりますか?

平成25年に民法が改正され、嫡出子と非嫡出子の相続分の差異はなくなり、同等となりました。

従前、民法900条第4号は次のように規定していました。

民法第900条
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一~三【略】
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一」、つまり、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1とされていました。

平成25年9月4日に最高裁で、上記規定が法の下の平等を定める憲法14条に違反するものであるとの判断が示され、これを受けて上記規定が削除されました。これによって嫡出子と非嫡出子の法定相続分の差異はなくなりました。

遺言書を書く場合にはどんな点に気を付ければよいでしょうか?

(1)遺産となる財産を確認しましょう。

まずは、自分の遺産となる財産を把握するところから始めましょう。預貯金通帳や、不動産の権利証、保険証券など財産の内容がわかる資料を手元に置いて一つ一つ内容を確認しながら、財産目録を作ってみましょう。

負債も遺産に含まれますので、どこにいくらの借り入れがあるのかを明確にしておくと良いと思います。

(2)推定相続人を把握しましょう。

次に、ご自身の推定相続人が誰なのかを確認しましょう。だれが相続人になるかは法律で明確に決まっております。よく分からない場合には専門家にご相談ください。

(3)誰にどの財産をどんな割合で受け継いでもらいたいかを考えましょう。

ここが遺言書作成の最も大事な部分です。じっくり時間をかけて考えることをお勧めします。

遺産の分け方は遺言者が自由に決めて構いません。特定の相続人に全財産を譲るという形にしてもかまいませんし、平等に分割してもかまいません。相続人以外の方に遺贈という形で遺産を分けることもできます。

ただし、相続人の中に遺留分を有する者がいる場合にはその遺留分を侵害することはできませんから、注意が必要です。遺留分に配慮した遺言書を作成することでご遺族の相続争いを回避することも可能です

遺言書を作成するメリットを教えてください。

遺言書を作成するメリットを教えてください。

大きくは、以下の2点です。
①相続にまつわる争いを回避し,資産承継をスムーズに行うことができます。
②相続人以外の人にも財産を遺すことができます。
それでは、それぞれ詳しく説明します。

①相続にまつわる争いを回避し、資産承継をスムーズに行うことができます。
 遺言書が作成されていない場合、相続人全員で誰がどういった割合で遺産を取得するのかについて話し合い(遺産分割協議)をしなければなりません。相続人が多数に及んでいたり、遠方に住んでいたりする場合などは話し合いがなかなか先に進んでくれません。また、相続人の中に「分け方に納得できない」として相続手続きに協力してくれない人がいると、遺産分割調停等の法的手続きに移行せざるを得ません。
 遺言書があれば、原則として、その内容のとおり遺産を分けることになりますので、相続人の間で話し合い(遺産分割協議)をする必要がなくなります。相続人間のトラブルの発生を確実に減らすことができます。

②相続人以外の人にも財産を遺すことができます。
 遺言書が作成されていない場合には、遺産を取得するのは相続人のみということになります。しかし、遺言書を作成しておけば、相続人以外の人にも財産を遺すことができます。例えば、遺言者のお子さんがまだ生きている場合には、お孫さんは相続人になれませんが、遺言書を作成することで、そのお孫さんに財産を遺すことができます。

あなたの状況に最適な遺言書作成をお手伝いいたします。
相続や遺言書の法律相談なら藤岡法律事務所。

私たち夫婦には子供なく、両親もすでに他界しております。財産を遺す子もいませんから、遺言書は必要ないと思うのですが。

私たち夫婦には子供なく、両親もすでに他界しております。財産を遺す子もいませんから、遺言書は必要ないと思うのですが、、、

お子さんがいらっしゃらない場合、あなたがお亡くなりになったときの推定相続人は、あなたの兄弟姉妹と配偶者です。
ご自身の遺産を配偶者に相続させるといった内容の遺言書を作成されることをおすすめいたします。

お子さんがいらっしゃらない場合,あなたがお亡くなりになったときの推定相続人はあなたの兄弟姉妹と配偶者です。
遺言所を作成された方が良い理由を以下に述べます。
このようなケースでは、あなたの遺産といえども、兄弟姉妹との話し合いがつかなければ、あなたの配偶者はあなたの遺産を自由に使用・処分できない事態に陥ってしまう可能性があります。あなたの配偶者は、あなた名義の預貯金を引き出すことができず、生活が困窮してしまうということにもなりかねません。
例えば、ご自身の遺産はすべて配偶者に相続させるという遺言書を作成しておけば、残された配偶者に安心して遺産を承継することができます。
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私の遺産は、法律の定めにしたがって分けてくれればいいので、遺言書は必要ないですよね?

私の遺産は、法律の定めにしたがって分けてくれればいいので、遺言書は必要ないですよね?

遺言書があれば,遺産の分配の手続きを簡略化することが可能です。

また、遠方で連絡が取りにくい相続人がたり、非協力的な相続人がいたりすると法律の定め通りに遺産を分配しようと思っても、それだけで相続手続きが難航してしまうことはよくあります。なかなか進まない手続きにしびれを切らして話し合いがうまくいかなくなってしまうということも稀ではありません。ご自身の遺産を安全かつ迅速にご遺族に承継するために、遺言書の作成をお勧めします。

エンディングノートは遺言書の代わりにはなりませんか?

エンディングノートは遺言書の代わりにはなりませんか?

残念ながらエンディングノートは遺言書の代わりにはなりません。遺言書には、法律に定められた厳格な要件があります。エンディングノートでは遺言書の代わりにはなりませんので、注意が必要です。

近年、「終活」ブームとともに、エンディングノートというものが販売されるようになり、書店等で簡単に手に入れることができるようになりました。
エンディングノートは、自分の人生の記録や、残された家族、友人等へのメッセージ、自分の財産がどこにどれくらいあるのか、死後どのような手続きが必要になるのか等々、多種多様な事項を記録するノートです。これがあれば、残された家族は相続に当たって遺産を探し回らなくて済みます。また、死後の手続なども網羅的に記載することができますので、とても便利です。

ただ、これはあくまでもエンディングノートであって、法律の定める遺言書ではありません。
遺言書には、法律に定められた厳格な要件があります。
エンディングノートでは遺言書の代わりにはなりませんので、注意が必要です。

以前書いた遺言書の内容を取消すにはどうすればよいですか。

以前書いた遺言書の内容を取消すにはどうすればよいですか。

遺言書を作った後で事情が変わり、内容を取消したいということもあるかと思います。遺言書の取消しはいつでも可能です。また、推定相続人や受遺者等の同意を得る必要もありません。

自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合には、遺言書を破棄することで取り消したことになります。また、「以前の遺言書を撤回する」という趣旨の遺言書を新たに作成することによっても遺言書を取り消すことができます。
公正証書遺言の場合には、公証役場に原本が残っていますから、手元にある公正証書遺言の正本や謄本を破棄しただけでは遺言を取り消したことにはなりません。「以前の遺言書を撤回する」という趣旨の遺言書(遺言書の種類は問いません)を新たに作成することによって、取り消すことになります。

遺言書がある場合には、その遺言書の内容通りに遺産を分けなければならないのでしょうか。

遺言書がある場合、その遺言書の内容通りに遺産を分けなければならないのでしょうか?

遺言書がある場合でも、相続人・利害関係人全員の合意により遺言書の内容と異なる遺産分割協議を行うことは可能です。ここでいいう利害関係人とは遺贈を受けている方(受遺者)や遺言執行者を指します。

とすると、遺言書を書いても意味がないのではありませんか?

遺言書を書いても相続人等で合意してしまえば遺言書を書く意味はないのではないかとお考えになるかもしれませんが、そうではありません。
相続人等の仲が良く、話し合いや書類の収集作業等もスムーズに進む場合には、遺言書の意味は薄れてしまうかもしれません。

しかしながら、相続の手続きは想像以上に煩雑なものです。
また、不動産の権利関係や預貯金など重要な財産に関する話し合いですから、ちょっとした行き違いが原因で相互不信に陥り、話し合いがうまく進まなくなってしまうということはよくあります。
そうした場合に、遺言書は威力を発揮します。
遺言書は、スムーズな資産承継のための「保険」としての意味を有していると言えるでしょう。

自分の死後、遺言書の内容は誰が執行するのですか。

自分の死後、遺言書の内容は誰が執行するのですか?

遺言執行者が遺言書の内容通りに遺産を分配します。
遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な行為や手続をする人のことです。

誰を遺言執行者にすれば良いですか?

誰を遺言執行者にするかは、遺言者、が遺言書の中で指定することができます。
遺言書中に、遺言執行者の指定がない場合には、相続人等の利害関係者が家庭裁判所に申立てをして、遺言執行者を選任してもらう必要があります。
遺言執行者の指定は遺言書の中で必ずしなければならないというわけではありませんが、自分の死後、相続人等に少しでも負担をかけたくないというのであれば、指定をしておいた方がよいでしょう。

遺言書を見つけたとき、気を付けることはありますか?

遺言書を見つけたとき、気を付けることはありますか?

遺言書に封がしてある場合には、絶対に開封してはいけません。
自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合、遺言書を発見した人が勝手に開封してしまうと、5万円以下の過料に処せられることがあります。また、自己に有利に内容を書き換えたのではないかと疑われ、相続手続きがスムーズに進まなくなるリスクもあります。

どのような手続きが必要になるのですか?

遺言書を開封するには、家庭裁判所で「検認」という手続きを経なければなりません。
公正証書遺言の場合には「検認」の手続きは必要ありません。

遺言書を作成して、その後どのように保管すれば良いのでしょうか?

遺言書を作成して、その後どのように保管すれば良いのでしょうか?

遺言書の保管方法は、遺言書の種類によって異なります。
遺言書の種類と保管方法について、ご紹介します。

1.自筆証書遺言の場合


自筆証書遺言の保管方法に決まりはありません。ご自身で保管されてもかまいません。ただし、ご自身で保管される場合には紛失や盗難、偽造への備えが不可欠です。他方であまりにもわかりにくいところに隠してしまうと、遺言者の死後も発見されないまま相続手続きが進んでしまうこともありますので注意が必要です。
弁護士等の専門家に遺言書の保管を依頼するという方法もあります。
2018年7月6日に成立した「法務局における遺言書の保管等に関する法律」により、自筆証書遺言の保管制度が創設されました(2020年7月10日施行)。これによって自筆証書遺言を法務局で保管してもらうことができるようになり、遺言書の紛失や盗難、偽造を心配する必要がなくなります。また、法務局で保管された遺言書については、家庭裁判所による検認手続が不要となります(民法1004条1項)ので、遺言の執行を迅速に行うことができるようになります。


2.公正証書遺言


公正証書遺言を作成依頼すると、公証役場で原本、正本、謄本の3つを作成してくれます。
原本は公証役場に保管されます。そのため、遺言書の紛失や盗難、偽造などの心配もありません。
また、公正証書遺言の正本と謄本が1通ずつ遺言者に交付されます。正本・謄本の保管についてはとくに決まりはありません。ご自身で保管されたり、遺言執行者に保管を依頼したり、信頼できる相続人に交付してもかまいません。

3.秘密証書遺言


秘密証書遺言の保管方法ついては、自筆証書遺言と同様です。
秘密証書遺言は、公証役場で遺言書の封印を確認してもらっておりますので、偽造・改ざんなどの危険性はほとんどありません。
しかし、紛失や盗難などの危険性はありますので、信頼できる人や専門家に保管を依頼するのがよいでしょう。

遺言書は必ず書かなければならないものなのでしょうか。

遺言書は必ず書かなければならないものなのでしょうか。

遺言書は必ず書かなければならないというものではありません。
書く・書かないは個人の自由です。ただし、遺言書を適切に作成しておけば、相続争いの発生を未然に防ぐことも可能です。

遺言書はご遺族に向けた自分の最後のメッセージ


遺言書はご遺族に向けた自分の最後のメッセージでもありますから、是非とも作成されることをおすすめします。
しかし、遺言書という形式の書面をただ作ればいいというものでもありません。
不適切な内容の遺言書を作っても、法的に無効となってしまう場合もありますし、遺言書の内容が不適切なためにかえってトラブルの種になってしまうということもあります。
遺言書の内容は、専門家と十分相談した上で作成されることをお勧めします。

遺言書をどのように作成するべきかわかりません…

遺言書があった方が良いと思うのですが、いざ書こうとしても、どのように作成すれば良いものか悩んでしまいます。
遺言書の「種類」のようなものがあるのでしょうか?

遺言書には主に次の3種類があります。
・自筆証書遺言
・公正証書遺言
・秘密証書遺言

各々について詳しく説明しますね。

1.自筆証書遺言
  自筆証書遺言とは、遺言者が遺言の全文・日付・氏名を自書し、押印して作成する遺言です。紙とペンさえあればいつでも、どこでも作成することができます。費用もかかりません。ポイントは、原則としてすべて自分で書かなければならないというところです。他人に代筆してもらうことはできません。パソコンで作成して署名だけ自筆ということもできません。
  なお、2018年7月6日に成立した改正相続法で一部要件が緩和されました。具体的には、財産目録については自書でなくても構わないこととなりました(改正民法968条2項。2019年1月13日施行)。この改正より、財産目録についてはパソコンで作成したものでも構わないこととなりましたし、誰かに代筆してもらったものを使用することもできるようになりました。


2.公正証書遺言
  公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作成してもらう遺言のことです。遺言者が公証人の面前で遺言書の内容を述べ、公証人がその内容を記録します。法的にみて安全かつ確実に遺言書を作成することができる点が最大のメリットです。他方、費用がかかってしまう点や、2人以上の証人の立会が必要である点は注意が必要です。

3.秘密証書遺言
  秘密証書遺言は、まず遺言者が遺言内容を記載した書面に自署・押印し、封印します。作成した遺言書を公証役場に持参し、遺言書が封入されていることを公証してもらいます。遺言書の内容を誰にも知られずに作成することができる点がメリットといえますが、他方で、公証人は遺言の「内容」まで確認をするわけではありませんから、遺言書としての要件が欠けており無効となってしまう危険性があります。
  また、費用が発生する点、2人以上の証人の立会が必要である点は公正証書遺言と同様です。


当法律事務所へ遺言書作成をご依頼いただき、引き続き、遺言書の保管もご依頼される場合には、遺言書保管費用はいただいておりません。
遺言書の作成や保管についてもご相談を承ります。

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