辞書はおもしろい!

突然ですが「敵に塩を送る」っていうことわざあるじゃないですか。日常生活で使いどころがあるのかないのかよくわかりませんが,たまに目にするじゃないですか。

【敵に塩を送る】 敵対する相手が困っている時に助けの手をさしのべることのたとえ。敵の窮地を救うこと。戦国時代、今の山梨県と長野県周辺に領地を持つ武田信玄は、塩を輸送している道を閉ざされ、塩の欠乏に苦しんでいた。そこで、海に近い上杉謙信は、敵の信玄を攻める最大のチャンスにあえて戦をせず、逆に塩を送って助けたという。この戦国美談が後世に語り継がれ、ことわざとなった。(引用元:塩のことわざ

先日,この言葉の意味を調べようと思ってネットで検索してたんですよ。そしたらこのサイトが見つかりまして,「ふんふん」と読んでたんですよ。

そしたら,【用例】の項目で,「ん!?」っとなったわけです。

【用例】「相手の弱みにつけこまず、敵に塩を送れるような男に育って欲しいという願いから、息子に『塩』と名づけた」

いやいやいやいや,それはないでしょう。いくらなんでも「塩」って。親も親だし,それにこれじゃなくてももっと他に適切な用例あったろうに。

これを見て新明解国語辞典を思い出しました。ご存知の方もおられると思いますが,新明解国語辞典は他の辞書にはない独特の「味」があります。たとえばこんなかんじ。

【恋愛】 特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき,常に相手のことを思っては,二人だけでいたい,二人だけの世界を分かち合いたいと願い,それがかなえられたと言っては喜び,ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。

人の心情の機微をこれほどまでに躍動的に表現した文章も珍しいです。さすが日本語のプロ。

【のろける】 妻(夫・愛人)との間にあった(つまらない)事を他人にうれしそうに話す。

ひと言多い感じが絶妙ですね。

【ばか貝】 大きさはハマグリくらいの二枚貝。波の静かな、晴れた日に、貝の口から舌のような赤い足を出す。むきみを「あおやぎ」と言い、貝柱がおいしい。数え方:一枚

おいしい(^^)

【公僕】 (権力を行使するのではなく)国民に奉仕する者としての公務員の称。(ただし実情は,理想とは程遠い)

嘆いておられます。

【焼く】 (灰になるまで)燃やす。 「ごみを―/死体を―/民家二棟を―」

一瞬読み飛ばしてしまいそうですが,すごいものを焼いてます。

いかがでしたか。辞書は必要なときに調べる程度で,頭から読む人はなかなかいないと思いますが,新明解国語辞典は読み物としても楽しいですよ。

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