認知症医療センター主催の認知症地域医療連携協議会に参加しました。

平成29年9月8日に飯塚記念病院で開催されました認知症地域医療連携協議会に参加しました。

認知症医療センターとは?

認知症疾患医療センター(にんちしょうしっかんいりょうせんたー)とは、都道府県及び指定都市により認知症専門医療の提供と介護サービス事業者との連携を担う中核機関として指定を受けた医療機関のことである。

(引用元:Wikipedia 認知症疾患医療センター

要は地域の認知症医療の中核機関となる医療機関のことです。
ここが年に数回、認知症地域医療連携協議会を開催しています。

認知症地域医療連携協議会とは?

本会議は、認知症医療センターの役割の一つである、地域連携の推進を図る為に、開催させて頂いたものです。今後、本会議を通じて、認知症の方々が安心して地域で生活できるように、関係機関の皆様方と顔の見える関係を構築し、それぞれの機関が担う役割を認識していくことを目指しています。

(引用元:Wikipedia 飯塚記念病院HP

私もこの協議会の委員として出席いたしました。

グループワークがとても勉強になる。

この協議会では毎回グループワークが行われます。今回のテーマは認知症高齢者の徘徊についてでした。

グループワークでは様々な立場の方から興味深いお話を伺うことができました。

  • 飯塚・嘉麻管内でも毎年20件以上の徘徊・行方不明事案が発生している。
  • ご家族はまずは自分たちで探そうと考える方が多い。「まずは自分たちで」「大事にしたくない」「警察等に迷惑をかけたくない」といった気持ちからどうしても通報遅くなってしまう。そのため、認知症高齢者の徘徊・行方不明の通報は夕方が多くなる傾向にある。
  • ただ、行方不明になってから時間がたってしまうと、それだけ捜索範囲が拡大してしまうため、行政や警察としてはできる限り早めの通報をお願いしたい。
  • タクシーやバスといった交通機関を利用して移動するケースも多い。認知症の方は昨日までできていたことが、今日突然できなくなってしまうことがある。そのため、いつも降りているバス停で降りることができなくなり、別のバス停で降りてそのまま行方不明になってしまうケースもある。
  • 何度も徘徊・行方不明を繰り返してしまう方もいる。そういう場合には、ご家族の同意の下、よく立ち寄る場所(公民館、保育所、銀行・郵便局、コンビニなど)にご協力いただき、事前に情報を提供し、連絡先や顔写真などを伝えておくこともある。
  • 徘徊を事前に予測・予防するというのはかなり困難なので、行方不明になってもすぐに見つけられるように衣類や靴、持ち物などにGPSを装着しておく等の対策をとっておくとよい。そして何より早めの通報を徹底すること。

なかなかお話を聞く機会のない方々から、現場をよく知っていらっしゃる方ならではのお話を聞くことができました。大変勉強になりました。

次回は平成30年2月に開催。私も参加予定です。

弁護士として認知症の方に接する場面はそう多くはありません。成年後見のケースくらいでしょうか。

普段あまり意識することはありませんが、飯塚・嘉麻でもかなりの数の徘徊・行方不明案件が発生しているようです。

認知症高齢者が徘徊の末、踏切内で電車にはねられるという事故も発生しております。裁判になり最高裁まで争われたケースもあります(最高裁2016年3月1日判決)。

今回の協議会がこうした痛ましい事故の防止につながることを期待します。